コードバンについてのお話し

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atelier Lemon & Lime

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コードバンのことをより知っていただくための読みものです。

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[Cordovan Care Vol.02] おすすめのクリーム 3選

コードバンのお手入れには、どんなクリームが良いのでしょうか? 

コードバンコードバン専用や汎用性の高いものなど、世間にはたくさんのお手入れ用のクリームやオイルがあります。
では、どのようなクリームがコードバンに合うのでしょうか? 

Contents

① 選ぶポイントは?
② 動物性と、植物性の違いは?
③ おすすめのクリーム 3選とは?
 ▸ シュプリームクリーム (コロニル)
 ▸ 木工用みつろうクリーム (尾山製材)
 ▸ コードバンクリーム (サフィール)
④ お手入れの頻度は? 

実際には、市販されているクリームはどれも、革に良いものばかりです。使用されている成分や配合によって差は出てきますが、正直なところたくさんの種類がありすぎて迷ってしまいますね。  

  
① 選ぶポイントは?

コードバンのお手入れに大事なのは、次の2点です。

    • 革に栄養と潤いを与えること
    • 表面に艶やかさを与えること

この観点から、コードバンに良いクリームは何かを考えてみました。

ポイントとしては次の通りです。

    • クリームの塗りやすさ
    • 革への浸透のしやすさ
    • 塗った後に手触りの良さ
      (ベタつかない、など)
    • 効果のわかりやすさ
      (ツヤの出方や潤い感、など)
    • クリームの匂いやテクスチャ

この中で気をつけたいのは、いくらコードバンに栄養を与えるものでも、お手入れの後にベタついたり、匂いや手触りなどが好みに合わないものは選ばないようにすることです。
お手入れそのものが億劫になったり、手が遠のいてしまっては、本末転倒です。お手入れそのものも楽しむことが大切です。 

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② 動物性と、植物性の違いは?

市販のオイル、クリーム類の成分には、動物(由来)性のもの植物(由来)性のものがあります。ここでは、いろいろなクリームの成分表記に見かけるものをいくつかピックアップしてみました。

 主な動物(由来)性の油脂

    • ミンクオイル
    • ラノリン
    • みつろう
    • ニートフットオイル など 

主な植物(由来)性のオイル

    • 菜種油
    • 椿油
    • ホホバ油
    • シダーウッドオイル など

主な動物(由来)性の油脂です。

ミンクオイル

ミンクの皮下組織にある脂肪層から作られる油脂です。革への浸透性が高いので、オイルドレザーのメンテナンスなどによく使われています。低い温度でも溶けやすく塗りやすい、という性質を持っていますが、革の中に留まりやすいため、古くなった油脂が固まると革が硬くなったり、ひび割れを起こす可能性もあります。

ラノリン

羊の皮脂分泌物から精製されるロウ成分で、英語ではwool wax、wool greaseと呼ばれます。革への浸透力が高く、保湿効果も高いことから、皮革用や化粧品などに副成分として多く使われています。また、防水性とともに、潤滑剤などにも使われるような表面を滑らかにする効果があります。

 みつろう

ミツバチが巣を作る際に分泌する蝋を精製したものです。皮革に浸透しやすく保革性に優れています。

ニートフットオイル

牛脚脂と呼ばれるオイルで、牛脚の脂肉と骨から抽出される油脂です。皮革への浸透性が高く、塗りやすい反面、酸化も早いため皮革の色が濃くなりやすい、エイジングが促進されやすい、という特徴もあります。

主な植物(由来)性のオイルです。

ホホバオイル

化粧品などにも使われる、ホホバの実から採取される油分です。浸透性が高く、酸化しにくい性質のため、保革効果に優れています。

シダーウッドオイル

針葉樹のシダーウッドから精製される精油です。アロマオイルやマッサージオイルなどにもよく使われています。また、防腐・防虫効果のある成分も含まれているため、革への防カビ効果などにも期待されます。

では、動物性と植物性とで、効果に違いはあるのでしょうか?

一般的に、動物性の方が革の内部に油分が留まりやすいのに対して、植物性のものは浸透性が高い反面、比較的革には残りにくいという特徴があります。

また、動物性の方が植物性に比べるとベタつきやテクスチャの硬いものが多い傾向にあります。 

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② おすすめのクリームを3つ選びました

上で見たような成分の違いを元に、コードバンにおすすめのお手入れ用クリームを3つ選びました。

  • シュプリームクリーム (コロニル)
  • 木工用みつろうクリーム (尾山製材)
  • コードバンクリーム (サフィール)
  • これらは、実際にコードバンのお手入れに使用してきた中で、塗り(使い)やすさ浸透しやすさ効果のわかりやすさその後の効果の出方匂いやテクスチャなどの使い心地、をもとに選びました。

    もちろん、これ以外のクリームが良くない、ということではありませんので、この内容を参考に、お気に入りのクリームを見つけていただければと思います。

    コードバン


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    シュプリームクリーム (コロニル)

    コードバン

    コードバン

    革のお手入れではとても有名なクリームの一つです。

    乳化性クリームの中では、匂いや手触り(テクスチャ)、塗りやすやなどの使い心地がとても良いクリームです。日常的なお手入れに使用でき、塗った後の仕上がりもサラッとした手触りとツヤが出てきます。

    また、ラノリンとフッ化炭素樹脂の効果で、革の表面に若干の撥水効果をもたらします。
    (強力な防水効果は、革の表面に対してマイナスな効果を与える可能性があります。そのためここでは、防水効果をもたらすお手入れは含めていません) 

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    木工用みつろうクリーム (尾山製材)

    コードバン 

    コードバン

    実は、「蜜蝋」はコードバンととても相性が良い成分です。ただ、蜜蝋のみだとどうしてもベタついたり、塗った後の革の手触りが気になってしまします。

    そんな蜜蝋の中で、この「木工用 みつろうクリーム」は木製品のお手入れを第一に考えられた天然成分のみのクリームのため、浸透性とその後の手触りの良さで、お手入れがとても楽しくなります。

    製品には「木工用」と「皮革用」の2種類がありますが、atelier Lemon & Lime のおすすめはこの「木工用」になります。(この両者では、成分にも若干の違いがあります)

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    コードバンクリーム (サフィール)

    コードバン

    コードバン

    名前に「コードバンクリーム」とあるように、コードバンのお手入れを考えて作られたクリームです。ただし、実際に使用してきた感想としては、やや硬めのテクスチャとベタつきやしっとり感が革に残るため、頻繁なお手入れ用よりも定期的な栄養補給、といった用途で使用しています。

    主成分の蝋や牛脚脂の成分が、コードバンへの栄養補給としっとり感の回復に適しています。 

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    ④ お手入れの頻度は?

    どのくらいの頻度でお手入れをするのが良いのでしょうか?

    これには実は、正解はありません。
    ブランドや作り手によっては、数ヶ月から半年程度は何もしなくても問題ない、という意見もあります。反面、こまめにお手入れをする方が良い、という考えの方もいます。

    実は、方法や使うクリームを間違えない限りは、やりすぎ、ということはありません。もちろん過度なお手入れは、効果がないというよりも効果が飽和状態になります。
    そこで大切なのは、使用頻度などをみながら今の革の状態をよく知ることにあります。

    コードバン

    こちらが、お手入れの頻度の参考例です。

    毎日使用する製品であれば、上の表のように週一回くらいの A を、月一回程度の B を、季節の変わり目などの節目に C を、という頻度がおすすめです。

    また、使う頻度が少ないものであれば、B のみ、C のみ、などと革の状態に応じて使い分けてみてください。

    コードバン

    ぜひ、楽しんでお手入れをしてみてください!

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